行き過ぎた規制緩和 自己申告頼りのてんかん患者免許確認 弱者救済という名の殺人 横浜鶴見区てんかん運転事件の場合

2008年3月9日 午前10時過ぎ、横浜市鶴見区下末吉、
市立中学2年伊藤拓也さん(当時14歳)は、
友人宅に向かうため、自宅の玄関先で自転車にまたがった。

自転車のサドルを高くしているのに、両足が地面についているのが
母・みのりさん(44)の目に留まった。
「大人になったな」と改めて思った。

「行ってらっしゃい」。家の前の通りを左折する姿を見送った。
「あの時、角を曲がらないで行ってくれたら」。何度そう思ったことだろう。
拓也さんは直後に、交差点で信号待ちをしていて、
歩道に突っ込んできたトラックにはねられて亡くなった。

トラックを運転していた川崎市幸区小倉、
会社員 石井一被告(45)は、自動車運転過失致死傷罪に問われている。

10月15日の初公判で、
検察側は「てんかんの持病があり、医師から厳しく指導されていたのに、
薬の服用を怠り、事故当時は発作で意識を失っていた」と指摘した。
弁護側は「薬の服用を厳しく指導されてはいなかった」と主張している。

冒頭陳述などによると、
石井被告は、2006年11月にも、
東京都内で車を運転中に発作で意識不明になり、
物損事故を起こした。

病気で意識を失った経験がある場合、免許更新時に申告すれば、
医師の診断を受け、更新の可否が判断される。

しかし、申告は義務ではなく、石井被告はしていなかったという。

「更新時に十分なチェックをしないなんて」。
傍聴したみのりさんと夫の真さん(45)は、衝撃を受けた。

「てんかん患者は、今回の事故をどう思っているのか」。
初公判の8日後、2人はてんかん患者とその家族を支援する
社団法人日本てんかん協会事務局(東京・新宿区)を訪ねた。

応対した田所裕二事務局長(46)は、
2時間以上かけて、きちんと薬を飲んでいれば発作が起こることはまずなく、
多くの患者が車を運転するために、薬を服用しながら規則正しい生活を送る努力を
していると説明した。

真さんは、免許更新時に、病気による事故歴をチェックする制度の必要性に加え、
運転のために多くのてんかん患者が努力している現状を社会に訴えたいと、
新聞に意見広告を掲載することを考えている。

真さんは「被告が、薬をきちんと服用していれば、
事故は防げたと確信している。同じつらさを味わう人が、
今後一人でもいてはいけない」、みのりさんは「同じような被害者のために、
私たちにできることをしていきたい」と語った。

ソース詳細
読売新聞 2008年12月28日配信
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