アメリカ政府「安保理決議、停戦なければ攻撃」と、カダフィ政権に最後通告 

オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで
リビア情勢に関する声明を読み上げ、
国連安保理決議に盛り込まれた即時停戦などが
満たされない場合は、「
軍事行動を通じて決議が実行される」
とカダフィ政権に最後通告を突き付けた。

仏政府も同内容の最後通告を発した。
カダフィ政権側は18日に停戦受け入れを
表明しているが、反体制派拠点都市からの
撤退など政権側に具体的行動を求めた。

大統領は、ゲーツ国防長官に対し、
軍事計画の調整を指示したことを明らかにした。
大統領はクリントン国務長官をパリに派遣。

長官は19日に行われる米英独仏首脳、
アラブ連盟などとの協議で武力行使を含め
決議履行について協議する。

大統領は声明で、即時停戦のほか、

北東部ベンガジへの政府軍の進軍停止や、
・アジュダビアなど3都市からの政府軍の撤退
・国内全域での水道/電気/ガソリンの供給
・人道支援の受け入れ-

をカダフィ政権が満たすべき条件として挙げた。
これらは「交渉の余地はない」と指摘した。

一方で大統領は軍事行動の目的は
「無実の市民の保護」に限定し、
「米国は地上部隊を展開しない」と明言した。

軍事的圧力は「米国だけが求めたものではない」と強調。

英仏やアラブ連盟が「指導的役割」を既に果たしているとし、
米軍の役割は、市民への攻撃停止のため
「優れた能力を提供する」ことであり、
「欧州やアラブの国々が飛行禁止空域を設定できるようにする」
ことも含むとした。

米国防総省は飛行禁止空域設定に向け、
リビア軍の対空砲拠点やレーダー施設などを
攻撃する作戦計画を練ってきた。

国際協調下で攻撃作戦が始まったとしても、
実際には、大規模な米軍の関与は不可欠との見方もある。

ロイター通信によると、
地中海には米駆逐艦など5隻の攻撃艦が既に配備されている。
海上からの巡航ミサイルによる攻撃は可能な状態だ。


毎日新聞 2011年3月19日(土)配信 

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